Blog
2025/10/14 18:35
RUFUは、手仕事にこだわります。
一つ一つのパーツに対して、手間を惜しまずディテールの仕上がりを追及。
ここでは、その作業の一部をご紹介します。
ヘリ落とし
ヘリ落としというのは、コバの角張った部分を斜めに切り落として、コバに丸みを施す作業になります。
※「コバ」とは革の断面のこと

左側のパーツは、裁断した後にやすりをかけているので、コバが少し荒れています。
この荒れた部分にヘリ落としを施すことで、コバが整い、作品全体が柔らかいイメージになります。
また、手触りもフィットしやすくなるため、使い心地も良くなります。
ヘリ落としで斜めに切り落とすコバは、0.4mm~1mm程度。(パーツによって変えます。)
これを、やるとやらないでは全然違った印象に仕上がるので「ものづくりって面白い」そう感じられる作業です。
写真のパーツはRUFUのファスナーに付ける持ち手ですが、このような小さいパーツも手抜きせず、丁寧に仕上げていきます。
コバのやすりがけ&磨き
コバは断面なので、目に見える面積としてはそれほどありません。
しかし、コバが荒れていると作品の完成度は極端に落ちてしまいます。
逆に、コバが綺麗だと作品が美しくなるので、RUFUではコバは必ず丁寧に仕上げます。

どちらが磨かれたコバなのかは、一目瞭然。
磨いたコバは、カサカサが消えて光る艶が生まれています。
スリッカー(木製の道具)で磨き、革の風合いを活かしたまま仕上げるのがRUFUの特徴です。
触り心地は、革に含まれるオイルや弾力も相まって、ツルツルしてるような、ねっとりとしてるような不思議な感じに仕上がります。
また、ひとくちにコバの処理と言っても、塗料で塗り潰すなど色々な方法があります。
そんな中でRUFUでは、本革をより実感していただけるよう、この仕上げにしています。
エイジングで移り変わるコバの表情をおたのしみいただけると思います。
捻引き
捻引きは、革の端に線を入れることで、作品の見た目を引き締めてくれる作業です。
RUFUの場合は、先端を熱した捻引き道具を用いて行います。

上に重なっている方が、捻引きをした革です。
ステッチとコバの間の抜けた感じを絶妙に埋めてくれます。
実はこの作業はコバ磨きと同じで、やらなくても使い勝手には影響しません。
しかし、捻を施した方が作品がシャープに感じられるので、捻引きも省略せずに完成度を高めていきます。
手縫い
最後は、RUFUが最もこだわっている「手縫い」です。
RUFUでは、全ての作品を総手縫いで仕上げています。
それは一重に「RUFUが使う革と糸を使って手縫いをすると、ステッチがとても綺麗に仕上がるから」です。
手縫いならではの菱型の穴を空けたところに糸を通し、引き絞りながら縫っていく。

使うたび少しずつ菱目の際(キワ)がエイジングし、立体的に見えてくるステッチは、思わずため息を出してしまうほどの趣が生まれます。これだけ革とステッチで一体感を感じられる組み合わせは、なかなか無いと自負しております。
それを生み出すために「どうしてもこの糸を使いたい」という思いがあります。

実はミシン非対応の糸なのですが ” 引っ張りや摩擦に強く、丈夫で切れにくい " という特徴を持っているためやはりこの糸を選びました。
こだわり抜きたい
細部へのこだわりにはコストが伴います。量産には向かない製法です。
手間と時間をかけた分だけ価格に反映されますが、ハンドメイド革小物の “ 質 ” への誠実な証と受け取っていただければ幸いです。
こだわりの革小物を求める方に届くように。
今日も道具を手に取り、心を込めて革と向き合っています。
Copyright © ATELIER RUFU. All Rights Reserved.
